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今月読んだ本-2009.06

# 小杉泰 《イスラームとは何か》 (1994年,講談社現代新書),《ムハンマド》(2002年,山川出版社

イスラームについては,2001年の「911事件」の直後に,あるシンポジウムでその概略の概略を知って以降,ずっと自分の興味としてくすぶり続けていたのだが,今回,ある縁がきっかけでこの2冊を読む機会を得た。
イスラームは宗教ではあるが,その教えに立脚したコミュニティと社会システムをつくりあげている点で興味深い。他の宗教のように,固定した教団組織や僧侶,聖職者を持たないとされている点も,私にはずっと驚きであり続けてきた。


イスラームとは何か》は,概説書としてよくまとめあげられた一冊。
イスラームの成り立ちが,他の宗教と比べてもユニークであり,私たち日本人が「宗教」と聞いてイメージするようなものとはかなり違いがある*1ことが分るし,特に最終章「現代世界とイスラーム」は,イスラーム社会から見たパレスチナ問題にも言及していて,面白く読んだ。この部分をさらに敷衍したような本が読みたいと思う。探せばあるのだろうけど。


ムハンマド》は,イスラームの開祖ムハンマドその人の人物像を描こうとした本という一面もあるが,当時のアラブ社会にあって,彼そのものが衝撃的な「思想現象」であったという観点が面白い。

*1:この点,イスラームが私たちにとってまだまだなじみが薄いことが大きいが