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中津へ〜二人芝居《かもめ来るころ》を観る

昨日は中津まで芝居を観に行った。
中津出身・在住だった作家・松下竜一さん(故人)とお連れ合いの洋子さんを題材にした二人芝居《かもめ来るころ》である。
私じしんは,松下竜一さんの著書はまだ《豆腐屋の四季》と《砦に拠る》しか読んでないが,航空自衛隊築城基地前で毎月2日に取り組まれている「反基地座り込み」行動などで,幾度となくお姿を目にしてきて,ただただ「すごい人」だなぁという印象だけを抱き続けていたのだった。


お芝居は,彼が豆腐屋を営む傍らで短歌を作り,《豆腐屋の四季》を出版。煩悶しながら作家への道を選択し,豊前火力発電所の建設に反対する闘いを展開していった時期に焦点を当て,竜一さんと洋子さんが二人三脚で生き,たたかう姿を描いていた。


高橋長英さんと斉藤とも子さんの演技が素晴らしかった。
高橋さんの演じる竜一さんを観ていると,私が抱いていた「すごい人」というより,悩みながらも目の前のひとに向き合い,社会とつながっていきたいと願う,「世間の中に生きる」一人の人間だったのだと思う。
斉藤さんの演じる洋子さんには,清々しさと温かさを感じ,じーんと来てしまった。
じつは私は子どもの頃,ひそかに斉藤さんに憧れていた時期があり,その頃のことも思い出してしまった。その「憧れの人」が演じる舞台を生で観ることができたのも,私には感激であった。

中津の印象

中津へは前々から行きたかった。小倉から電車で1時間という,博多並みの「近場」ながら今まで行く機会がなく,どんなところなんだろうと思っていた。


北九州と比べるとゆっくりした印象の町で,さすがは歴史の町だと感じた一方で,JR中津駅周辺は車窓からみたら「えっ?意外に都会!」と思って歩いてみると,店舗や商業施設が撤退したような痕跡が何ヶ所もあって,痛々しさを感じる。道路地図で見ると,横に長い町という点もあってか,町の中心がどのへんにあるのかがつかめない感じもした。
お昼過ぎに着いて,夕方のお芝居まで正味5時間強,ひたすら歩きまくった。
歩いているうちに気がついたら吉富町に出てしまったかと思えば,逆方向へずっと歩いていったりして,小学校・高校の頃の「強歩大会」並みに歩いたのではないか。中津城にも行った。


途中で宝来軒本店でラーメンを食べ,中央町の「クラフト」という喫茶店でコーヒーを飲んだ。宝来軒は程よい豚骨ラーメンで美味しかったし,「クラフト」のコーヒーもよかった。
心残りは中津名物と言われる,からあげを食べそこねたこと。次回の宿題にしよう。今度は一泊してあちこち観て回りたい。