今月読んだ本‐2008.01

上野千鶴子 《おひとりさまの老後》(2007年,法研)

上野さんというと「フェミニストの代表的論客」のイメージが強いが,著書を読むのはこの本が初めて。
老後のことについて考えるのは,まだ先のような,そうでないような気でいながら,漠然とした不安もまた,確かにあった。でも,もはや,「ただぼんやり」しているだけの年齢ではないことも確か。


親との関係,友人関係の構築のあり方・考え方,あるいは,お金(フロー/ストック)のこと…,著者がとりあげている話題のどれもが,私がこれまで考えてこなかった,あるいは避けてきていたことばかりだったので,目を見開かれる思いがした。
同様に,社会のなかでの家族観,あるいは非婚者をとりまく環境も,私が思っていた以上に変化していることも知り,この本を読んで,自分の漠然とした不安を晴らす糸口がつかめた気がする。
これから齢を重ねていくことは,哀しいことでも,暗いことでもないし,適切に向き合っていけば,道は開けるのではないかと思えた。上野さんに感謝したい。

#石川勝敏 《コンビニでは、なぜ8月におでんを売り始めたのか》 (2007年,扶桑社新書)

生気象学(Biometeorology)という分野があることを知った。四季折々の気象の変化とそれに対する身体の反応の関係を,「物を売る」ことに生かそうという視点が興味深い。
暑い時期には冷たいものが/寒ければ温かいものが売れると,私たちは経験的に考えるが,じつはそうとも限らない。気象と身体の反応の関係の微妙さの説明が面白く,わかりやすい。
「なんでまだこんなに暑い時期からおでんなんて売るんだ!」って,毎年思っていたが,売る(=仕掛ける)にはそれなりの理由があることを知る。


本書はさながら,生気象学から見た「販売の傾向と対策ハンドブック」の趣もあり,実践的にもかなり使える一冊とみた。発注担当者は必読,かも。