今月読んだ本-2007.11~12

最近にしては結構読めたほう。ひとつひとつの感想は割愛します。
佐藤優国家の罠(2007年,新潮文庫
井形慶子 《仕事と年齢にとらわれないイギリスの常識》(2006年,新潮文庫
井形慶子 《3つに分けて人生がうまくいくイギリスの習慣》(2007年,新潮文庫
山本市朗 《北京三十五年》(上・下巻,1980年,岩波新書
はかま満緒はかま満緒の放送史探検》(1995年,朝日文庫
河上肇 《貧乏物語》 (1946年,岩波文庫


特に,佐藤優国家の罠は,とにかく面白い本。小説を読んでいるかのような面白さをもちながらも,私は著者の知的な誠実さ,強靭さに強く感銘を受けた。
困難な状況に遭ったとき,自分も,周囲の人々も試練にさらされる。それにどう立ち向かうべきかをつきつけられる。昨今の日本のナショナリズムに対する分析と批判もすごい。的確だと思う。
井形慶子 《仕事と年齢にとらわれないイギリスの常識》には,励まされた。
読んでいて,私たち日本社会の「生きにくさ」に気づかされる。「若い」ことが過剰に偏重される社会では,人は歳をとるほどに,夢や希望をもてなくなるのは,当然といえば当然だ。夫婦関係=パートナーシップ,という考え方。あるいは,〈夫婦が中心〉の家族観にも学ぶべきところが多い。
一つだけ,著者の本文とは全く関係がないが,巻末の解説にだけは閉口した。解説のような「読み方」ができないとまでは言わないが,的が外れすぎ。解説文の筆者が強調したい「日本人のアイデンティティー」なるものに,無理に話をもっていこうとする感が強い。
山本市朗 《北京三十五年》。図書館で見つける。解放後の中国に留まり「技術屋」として奔走し,中国革命のなかを生き抜いてきたひとりの日本人技師の記録。まさに「技術屋」の眼で,内側から見た中国現代史の一端をかいま見るようで,これも面白い本だった。