今月読んだ本-2006.06

今回はコメントを書くのにちょっと苦労しました。


《部下力》 吉田典生・著 (2005年、祥伝社新書)
リーダーシップの重要性を説く本は多いが、本書は逆に部下、現場で働くひとのもつ力の重要性に着目している。
著者は〈上司=有能な人〉という幻想を捨てよう、と呼び掛ける。その幻想を取り払ったところで、いわば自立した職業人としての部下のあり方を提起しているように、私は読んだ。
面白い。著者の言う〈上司有能幻想〉を取り払って、自分のいまの職場での働きかた、上司や会社との関係の有り様etc. を点検してみると、今まで気付かなかったことが見えてくるようで楽しい。


宗教とは何か 上 宗教批判をめぐる》[改訂増補版] 田川建三・著 (2006年、洋泉社 MC 新書)
新約聖書学者として知られる著者の評論集。
「人は何のために生きるか」という問いは、問いそのものが間違っている…。えっ??と思って、読み進むと、なるほどと思う。
冒頭の《人は何のために生きるか》、それに続く《「知」を超える知》は、田川氏の本を初めて読んだ私にとって眼が開かれるようなテクスト。下巻の刊行が待ち遠しい。


愛国者は信用できるか》 鈴木邦男・著 (2006年、講談社現代新書)
私は、右派、あるいは右翼と呼ばれる人々の主張に与しない。しかし、鈴木邦男氏の文章は、肩を張らない文体で読み手に説得的に語りかけてくるかのようだ。
氏は〈実は私は「愛国心」といふ言葉があまり好きではない〉*1という三島由紀夫の言葉を糸口に、愛国心という言葉が生まれたどった歴史から説き起こす。
読むうちに、右翼でもこんな考えの人がいるんだなぁと驚くと同時に、我が身の不勉強も反省。

*1:本書16ページより重引。