今月読んだ本-2005・08

的場昭弘マルクスならこう考える》 (2004年,光文社新書

とにかく面白い本だ。マルクスマルクス主義というと,ロシア革命以後のスターリン主義がどうしても連想され,「マルクスは古い」という人は多いが,的場さんは,〈マルクスは古くなったのではなく、今やっとマルクスが「読める」時代になったのかもしれません〉と語る。〈もし,マルクスが2004年の東京に現われたら?〉という,本書の導入部分から,一気に引き込まれて読んでしまった。



この本はマルクスの〈解説書〉ではない。的場さんを通した「私のマルクス」の観点で,ネグリ/ハートの〈帝国〉論なども手がかりにしながら,資本のグローバリゼーションや,国家,民族,賃労働と資本,家族と性の問題など,今の世界の難問を読み解く試みだと言える。〈帝国〉や〈外部〉,〈他者〉といった概念はこれまでの私には実に分かりにくいものだったが,かなり分かるようになった気がする(w)。



資本主義の非人間性がますます進行するなかで,私たちはどういう社会を構想し,つくったらいいのか?―こうした問いを発することは,わが国の社会では〈タブー〉視されつつあるかのようだ。しかし,資本の帝国主義的グローバリゼーションと闘う人々の動きは全世界で拡がりをみせている。
〈人はぼくを夢想家と呼ぶかもしれない〉と,本書のなかで的場さんは,ジョン・レノンの《イマジン》の歌詞を引用しているが,的場さんのような提起をする〈夢想家〉こそが,いま必要ではないだろうか。彼の提起は,これまでの左派の硬直したイメージを打破する大胆さにあふれていると思う。



梅田みか 《恋人を見つける80の方法》 (2002年,角川文庫 [原著は1997年] )

「そんな本を読むなんて,どうかしたのか?」と,私を知る友人たちからは言われそうだが(w),こういうものを読みたくなるときがある。
私は男性だから,感覚として「う〜む。そういうものなのかなぁ。。。」というところもあるが,「男の心理を見てるなぁ」と感じ入るところも多く,読んで面白い。*1
「自分を好きになること」,「自分のことをよく知ること」,「(恋の)アンテナをいつもぴかぴかに磨いておくこと」etc.…は恋に限らず,前向きに生きていくには重要なことで,私もそれらが充分でないから,時にネガティヴな方向に向かいがちなのだろう。
私のこの年齢で,いまのこの状態だと,恋に対してどんどんネガティヴな感情を抱かざるを得ないのが現実だが,それでも「頑張ってみよう」という気持ちになる。



花柳幻舟 《逃げたらあかん!》(2004年,KK ロングセラーズ

7月に聴きに行った,花柳幻舟さんの講演会の会場で求めた本。そのときの幻舟さんのお話*2をさらに凝縮したような,中味の濃い本だ。
一度は自死を考え,自分と向き合うなかで,自らの〈心の傷〉の根源と対決し,たたかい,そして勝利した喜びと自信に貫かれたことばに,私も励まされる。

*1:私じしんの経験と照らし合わせて共感したり,「あの時はそういうことだったのか!」と反省するところもまた多かった。。。

*2: 拙文《行橋へ/花柳幻舟さんの講演を聴く》も参照ください [id:noisycembalo:20050729]