今月読んだ本

話の特集 2005 (WAVE出版、2005年)
かつて私が愛読してた雑誌《話の特集》が今年、創刊から40周年を迎えるのを記念して出版された本*1なので、つい買ってしまった。(本屋さんによってはまだ店頭に置いてあるところあり。)


体裁、レイアウト、そして中身。《週刊金曜日*2の一コーナーとしての〈話の特集〉ではなく、まさに私が愛読した矢崎泰久編集の、雑誌《話の特集》そのもの。小沢昭一氏の対談があるかと思えば、霍見芳浩氏のかなり詳細なブッシュ政権についての評論記事、それから大田垣晴子さんの〈画文〉*3も忘れてはいけない。。。コンパクトな版型のなかに淡々とした記事から、中身の濃い記事までぎっしり詰められているスタイルは、まさに矢崎泰久節そのものといえよう。


記事の中で特に私の興味をひいたのは、巻頭の〈子どもの状況〉についての特集と、山根二郎氏のインタビュー(内容は仏教批判)。山根さんの発言には、部分的に突っ込みを入れたくなるところもあるが、〈日本人がなぜ世界で孤立するのか〉を考えてみる上には思わぬヒントを与えてくれるかもしれない。


話の特集》は創刊30周年を迎えた1995年に休刊してしまった。まだ〈戦後民主主義〉という言葉が輝きを保っていた時代の〈なんでもあり〉の空気を反映しつづけていた雑誌のひとつがこの雑誌ではなかったかと思うと、うまく言えないのだが、休刊にも象徴的な意味を求めたくなる。
意味付与はともかく、《暮しの手帖》においての花森安治氏のように、編集者である矢崎泰久氏のイズムが本のなかにぶっとく貫かれていて、〈矢崎さん!まだまだやるじゃん!!〉とまで言いたくなる。
最近、編集者の〈顔〉を感じる雑誌が少なくなってしまったので、特に若い世代の人々にこそ一度読んでほしいと思う。

*1:見た目は雑誌だが、じつは書籍。ISBN コードがついている。

*2:がんばってる雑誌だとは思うのだが、私は今ひとつ手にとろうという気が起きない。

*3:彼女はこの雑誌からデビューした。