再びの「日本人拉致」に思うこと

noisycembalo2004-10-27

またイラクで日本人が拉致される事態が起こった。今日の早朝、ウェブ上でそれを知り、新聞社のウェブサイトで動きを注視しているが、情報は極めて断片的なものにとどまっている。
拉致された香田さんは、直方市の出身であり、私の住むところ(北九州)に近い。彼を拉致した「イラクの聖戦アルカイダ組織」は〈48時間以内の自衛隊イラクからの撤退〉を要求し、要求に応じない場合は殺害すると通告している。
ニュースを知ったとき、私は、同じイラクでこの4月に起きたばかりの今井・高遠・郡山さんらの拉致事件のときの政府の対応、そして少なからぬ〈普通の市民〉の人々の反応を思い起こしてしまった。
今回もまた小泉首相は即座に「テロには屈しない。自衛隊の撤退はない」と、マスメディアに答えている。閣僚たちも「政府があれほど渡航自粛を呼びかけているのに、イラクに行くという神経を疑う」というような発言だ。そしてマスメディアは、「香田さんが何も考えずに興味本位でイラクに行った」というような報道をはじめている。またも〈ムラ社会の集団的無意識〉のごとき悪意が、形成されようとしているのか。4月のときと何もかも同じパターンが繰り返されようとしている気がしてならない。
香田さんがどのような意志をもってイラク入りしたのかは、彼自身の口からそれが語られるのでない限り、報道の断片で私/たちが判断を下そうとしても、それはあくまで〈憶測〉の域をでないものであることを、私は肝に銘じたい。
ましてその〈憶測〉をもって、無責任かつ心ない言葉を、〈普通の市民〉が、当事者の方々に対して投げつけるような事態を食い止めたいと願う。まるで〈自業自得〉だといわんばかりの床屋政談は、それだけで醜いではないか!〈自分がもしその立場だったら〉という想像力だけでも働かせてみようよ。心のない愚行はもうたくさんだ。
そして、それ以上に、小泉政権が「テロには屈しない。自衛隊の撤退はない」との建前にしがみつき、香田さんを見殺しにすることがないよう強く求める。このような拉致が再びみたび起きた背景には、米国のイラク占領・軍事支配に加担する日本の自衛隊の派兵が何よりも大きい。この事態の責任は小泉政権の派兵政策 (帝国アメリカに追随する帝国日本!) にこそあるのだ。 〈人命尊重〉 をいうのなら、自衛隊を撤兵させることで香田さんを救い、部隊を新潟の地震被災者の方々の救出・救済に振り向けよ。
私は、きょう夕方、緊急で呼びかけられた、香田さんの救出と自衛隊の即時撤退を求めるビラまき行動 ( JR 小倉駅前にて) に参加した。彼のいのちを守ろうとする声をあげ、そしてその手立てを模索することが、私たちにいま必要であると思う。