3人が無事解放されるためには

すでに多言を要することではないが、イラクで3人の日本人が、武装抵抗組織によって拘束されている。一旦は「解放」の報道がなされたが、依然として安否は明らかでない。
武装抵抗組織《サラヤ・アル・ムジャヒディン》は被拘束者解放の条件として〈自衛隊の即時撤退〉などを要求しているが、すでに伝えられているように、小泉政権は事態が明るみになった直後から〈自衛隊撤退はない〉、〈テロリストの脅しに乗るな〉という見解をまるでテープレコーダーのように繰り返すだけである。小泉首相は被拘束者家族との面会を拒否しつづけ、安倍晋三はそら見たことかといわんばかりに「憲法に〈邦人救出〉を明記しろ」と喚いている(*1)。そこには、被拘束者の解放・救出にむけて努力する姿勢のカケラさえうかがえないではないか。
被拘束者の誰もが自衛隊イラク派兵に反対し、自らイラクの人々の友となるべく現地を目指した人たちである。そして被拘束者の家族の皆さんは、自衛隊イラクからの撤退を求めて、さまざまな場で訴え続けておられる。彼/彼女たちの訴えに共感した人々が、連日街頭上で、そしていまこの瞬間にあっても、ウェブ上でさまざまな行動をおこなっている。武装抵抗組織が「3人の解放」の声明を出したのは、被拘束者家族の皆さんの訴えとそれによる市民規模の行動によるところが大きく、けっして政府・外務省や与党の力によるものではない。
情報は錯綜しているが、日本政府の一連の発言が武装抵抗組織を再び激怒させているとも報じられている。なぜそうまでして〈撤退はない〉ということにこだわるのか。この小泉政権=政府の正体がここにある。この政府はいざというときには「市民を見殺しにする」ことを厭わないということに他ならないではないか。
ファルージャでは450名ともいわれる市民が、米軍の掃討作戦の犠牲になった。まさに虐殺だ。一方で、占領を支える〈有志連合〉諸国はあいついで〈脱落〉している。米国が行なったイラク侵略と占領支配そのものが間違っていることの証左であり、その米国に追随して自衛隊を派兵したことそのものが間違っている。3人の被拘束者が解放されるためには、まさに自衛隊の撤退こそが問われている。それは〈テロリストの脅しには乗らない〉などといって安全な場所で気色ばんでいて済む問題ではない。
3人が無事解放されるために、私もできる限りの声を上げつづけていく。


(*1)同じ与党の公明党幹部までが「3人が解放されて、帰国後にヒーロー、ヒロイン扱いされ、マスコミで自衛隊撤退を訴えられたら厄介なことになる」とまで公言する始末だ。なんという発言だろう。「お上に反対する人間」は殺されてもいいどと言っているのと同じで、重大な発言だ(4月11日共同通信記事)。多くのNGOやジャーナリストはそれこそ世界中からイラクに入って活動しているのであり、3人を非難するのは全くの筋違いだ。当該の記事では、安倍・神崎ともに、いかに3人のことを煙たがっているかがありありとわかる。こんな政治家連中のいうことを真に受けてたらとんでもないことになる。
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2004apr/11/K20040411MKA1Z100000065.html