開き直りとはぐらかし

「司法の反動化」がいわれてすでに久しく、最近ではその言葉さえ耳にしなくなりつつある。
しかし、小泉首相靖国参拝をめぐって、きょう福岡地裁で出された判決は「違憲」であった。報道によると、首相と国を訴えた、市民原告団の賠償請求そのものは棄却されたが、裁判所は次の点で、小泉首相の参拝を「公的」なものと判断したと報じられている。

  • "判決はまず、(1)公用車を使用(2)秘書官を随行(3)「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳(4)名札をつけて献花(5)参拝後に「内閣総理大臣である小泉純一郎が参拝した」と述べた――などから、首相の職務の執行と位置づけた。"
  • "その中で、参拝を「宗教とかかわり合いを持つことは否定できない」と性格付け、「自民党や内閣からも強い反対意見があり、国民の間でも消極的意見が少なくなかった。一般人の意識では、参拝を単に戦没者の追悼行事と評価しているとはいえない」と指摘した。さらに「戦没者追悼場所としては必ずしも適切でない靖国神社を4回も参拝したことに照らせば、憲法上の問題があることを承知しつつ、あえて政治的意図に基づいて参拝を行った」と批判した。"

(引用はアサヒコム記事より)



実に、小泉首相が好きな「常識からの判断」そのものではないだろうか。原告の請求そのものは棄却されたとしても、以上の観点から首相の靖国参拝違憲と判断した点においては〈実質勝訴〉とも言える。
どのような判決であれ、まずはそれを受け止めるべきは小泉首相その人であるわけだが、やはり、と言うべきなのかこう反応している:

  • 首相は官邸で記者団に「公私」の区別について「個人的な心情に基づくのだから私的な参拝と言っていいのかもしれない」と表明、「首相は公人だが小泉純一郎という私人の立場もある。なぜ憲法違反か理解できない」と述べた。
  • ただ同時に「どうして(公私を)分けるのか分からない。答える必要もない」とも述べた。
  • 中国が靖国参拝に反発するなど外交関係に影響が出ているとの指摘に対しても「なぜ外交に影響が出るのか分からない」と述べた。

(引用は東京新聞速報より)



こういうことがあるたびに、彼はこんな反応しかしない。その繰り返しなので、油断するとこっちの感性が鈍りそうになるが、いくらなんでも「どうして(公私を)分けるのか分からない」とか、「なぜ外交に影響が出るのか分からない」はないだろう。(普通、「わからない」というのなら、「なぜ?」とその理由を考えてみようとするものだ。)
それは「弁明」にしてはあまりにもお粗末だ。しかも感情的になっているのが、言葉づらからもよくにじみでているではないか。そのようにして彼ははぐらかし、批判をかわしたつもりになっているのかもしれないが、北東アジアの諸国の人々からすれば、「逆ギレ」にしか映らないだろう。何をやるにしても〈どっしり〉構えてなくて、いざと言うときは議席数の力にたのむかしか能がないのか?と言いたくなってくる。
ともあれ、原告の「実質勝訴」となったこの判決は、私にとってはちょっと明るいニュースだった。