カセットテープの今後

最近、中古でCDラジカセを購入した。へたれ気味のPCのCD-ROMドライブよりは、やはりラジカセがいい(音は貧弱だが、まあ、そんな贅沢をいう状態ではない)。
で、自然の成り行きで近所のレンタルCDの会員になった。洋楽も私が聴いてみたい歌い手のもの(リッキー・リー・ジョーンズとかトム・ウェイツとか)がけっこうあるので、楽しみだ。
ところが、少し前から困った状況がある。CDをカセットテープに録音しようと思うのだが、〈ノーマルポジションのカセットテープ〉を、きちんと種類を揃えているお店が激減しているのだ。それこそ「コンビニに行けばいいじゃないか」と言われるかもしれないが、私の職場ではすでに60分のものしかなく、完全に不良在庫化している。また、他の店を覗いてみても、〈ハイポジション〉ばかりで、カセットそのものがCD-Rやミニディスクに押されている光景ばかり。
最近の機器では、再生時にテープの種類を自動的に判別するものが多いらしいが、それこそ中古や低価格帯のラジカセでは、再生・録音ともに(特に録音は)〈ノーマルポジション〉のみにしか対応していないものが大半のはずだ。なのに、お店から姿を消そうとしている。メーカーはカセット、とりわけノーマルポジションのテープを〈語学やカラオケの練習用〉ぐらいにしか考えなくなっているのではないか。
さらに追い打ちをかけるように、カセット関係のオーディオ用品も見つけるのが難しい。つい最近まで、気のきいたお店ではカセット用のレーベルや、空のプラケースなどを置いていたような気がするのだが、それも入手が難しくなっている。(カセットの整理ラックに至っては、完全に姿を消したのではないかと思われる。)カセット使いには環境が急激に悪化しているように思えてならない。
低価格であること、そして機器の操作性と壊れにくさから、私は今でもノーマルポジションのカセットテープを使っているが、こうも入手が難しくなってくると徒労感を覚えてしまう。まして、私などは中学生の頃にFM雑誌の「オーディオ入門」の記事なんかで 「ノーマルとハイポジは違う」 ことを教わったクチだから、お店にハイポジのテープしか並べてなかったりすると「この店はわかってない!」と思ってしまう( * )。
カセットテープ自体、そのうち姿を消すであろう記録媒体なのは、私もわかってはいるが、需要から見ても、また、世界的規模でみてもすぐに消滅する/すべき媒体であるとは思えない。メーカーにはまだ、ノーマルポジションのテープをちゃんと作って欲しいし、お店のほうもできる限りきちんと置いていて欲しい、と思うのだが。 (しかしそのうち、カセットも写真でいうと「モノクロームフィルム」や「110フィルム」のような扱いになって、少数の専門店にしか置いてないということになるのかもしれない)
( * )一方で「無理もない」ことかもしれない。電気店や楽器店ならまだともかく、レンタル店、あるいはコンビニの店員に〈ノーマル〉と〈ハイポジ〉の違いを分かれというのも、もう無理な話なのかもしれない。)